ここでは、ボードショーツの「前開き」によって、どのような違いがあるのかを説明しています。
ボードショーツに「前開き」は必要なの?
デザインとしての「前開き」
前開きがないと、デザイン的にカッコ悪いです。
というか、「完全な前開きなし」のモデルは、つまりは「女性もの」になるかと思います。
前開きナシ(女性もの)
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前開き風のステッチ入り
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前開きなしと言っても、実際のところ「前開き風ステッチ」が入ったモデルが一般的。
ユニセックスで「完全前開きなしモデル」がありますが、中性的な外観になりがち。
お気をつけください。
次に、デザインではなく、機能としての「前開き」について考えてみましょう。
機能としての「前開き」
正直、水着として考えるなら、前開き機能は「必須ではない!」と思います。
なんですが、トイレの時はもちろん、他にも細かいシーンで「前開きがあって良かった!」と感じることがあります♪
ここで、ざっくりとですが前開きの種類による違いを比較表にまとめてみました。
【比較表】フライフロントの種類による違い
マジックテープ | ボタン | チャック | なし | |
運動性 | ○ | △ | × | △ |
デザイン | ○ | △ | ○ | × |
着脱のしやすさ | △ | × | ○ | ○ |
*ウエスト紐 | × | ○ | △ | ○ |
*ウエスト紐(ドローコード)へのダメージが少ないものが○。
*一部モデルに紐で前開きを絞めるタイプがありますが、数が少ないので比較対象に含めません。
上記はあくまで主観で作った比較表ですが、このようなイメージで各仕様の特徴を見ていただければ、違いを理解していただけるかと。
ちなみにですが、前開きは英語でFly Front(フライフロント)って言うらしいです。Zip Front(ジップフロント)や、Button Front(ボタンフロント)という呼び方はデニム好きには馴染みの名称ですね♪
次に、各前開きの仕上げによってどのような違いがあるか、もっと細かく説明をしていきます。
【メリット・デメリット】マジックテープ
ボードショーツの前開きは「マジックテープ」が定番。
前開き部分がビシッと閉まるので、フィット感が高く、サーフィンなど激しい運動にマッチしています。
コットン素材&マジックテープ
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「前開き」がピタッと閉まる
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紐との干渉に気をつけて
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メリット
- シルエットが綺麗
- ピッタリとしたフィット感
- うつ伏せの時にストレスがない
(特にパドリング時)
デメリット
- ドローコード(ウエスト紐)にくっつく
- で、紐がボロボロになる
- 脱ぎ着の時に「バリバリ」という音がする
紐がボロボロに・・
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フィット感を考えれば、マジックテープが一番サーフィンに適した仕様でしょう。
ですが、ドローコードがくっつく問題は長年の課題になっているのも事実。
各社マジックテープにくっつきにくいドローコードを選定したり、構造的にドローコードと干渉しないようにしたり、、頑張っています!
【メリット・デメリット】ボタンフライ
前項のように「マジックテープにドローコードがくっついて、ボロボロなってしまった・・」という経験をされた方は多いのではないでしょうか?
そんな方にオススメなのがボタンフライのモデル。
マジックテープよりもフィット感がルースですが、サーフィンなど激しい運動にも対応する仕様です。
ほんの少しモッコリします
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前開き部分の生地数」が増える
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「外側生地 + ボタン留め生地 + ボタン生地 + 裏地」という構成がベーシックなので、マジックテープタイプに比べて生地数が多めです。
そのため、すこしモッタリしたシルエットになりやすい。
メリット
- ドローコードがくっつかない
- マジックテープよりも少しだけリラックスしたフィット感
- デニム風スタイルになる
(デニムにはボタンフライが多いので)
デメリット
- ボタンの位置に「跡」ができる
- 少しモッコリする
- うつ伏せの時に多少のストレスがある
(特にパドリング時) - 脱ぎ着に少し時間がかかる
- ボタンを外さずに脱ごうとすると、ボタンが千切れる
(僕は2回もやってます...orz)
「ボタンが千切れるか、、ボタンを留める生地が千切れるか・・」
という問題は深刻です。
生地が壊れたケース(涙)
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↑破れた部分をセルフで補修
脱ぎ着の時に気をつければ、このような問題は発生しません。
ボタンフライ仕様を選んだ方はくれぐれもお気をつけくださいね。
【メリット・デメリット】チャック(ジッパー)
「*追従性」もしくは「耐久性」の面でチャックは他の仕様と比べて劣っています。(*追従性:激しい運動で生地が引っ張られた時に、どこまで生地が付いてこれるか)
なので、チャックモデルは街履きメインで考えている方にオススメしたいと思います。
メリット
- 普通のショートパンツと同じ見た目
- トイレの時にボードショーツを下ろさずに済む(小の時)
デメリット
- サーフィンなど激しい運動をすると壊れる
- 潮や砂がチャックに入り壊れる
- 伸縮性が少ないのでチャック回りの生地が破れる
【メリット・デメリット】前開きなし
Volley(ボレー)に多いのが、「前開き風ステッチ」が施されたモデル。
どちらかというと、サーフィンや水泳など、本格的に水中でのパフォーマンスが求められるシーンではなく、水回りで楽しむスポーツに向いたモデルかと。
Volley(Hurley)
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裏地もスッキリ
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前開き風ですが縫製はキッチリ!
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ルームウェアにもVolleyモデルはオススメです。
自宅でしたら、ズルッとボードショーツを脱いでも問題ありませんからね〜^^
メリット
- 全仕様の中で一番リラックスした使い方ができる
- ドローコードとの干渉が一切ない
デメリット
- トイレの時にボードショーツを下ろす必要がある
(おしり丸出しで小をすることに) - マジックやボタンに比べてフィット感がない
- 他仕様よりも排水性が低い
(水に入った時に、ボードショーツの重みを感じる)
半分、前開きオープン
前開き部分を半分オープンにして、着脱をしやすくしたり、排水性を確保するモデルもあります。
このモデルの問題点は、前開き部分が「文字通り、前開きしてしまう」ということ。
前開き部分をオープンにすると・・
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↑座った時にこの現象が起きやすいです(笑)
いちおう、前開き部分に「ストレッチ素材」を入れて隙をなくそうとしたモデルも出てきましたが、完全に前開き現象が解消されたワケではありません。
*前開きしている部分が少なければ少ないほど、この現象を防げますが、その分、排水性が損なわれます。
↑この辺りの調整は、本当に難しいところですよね〜。
いかがでしたでしょうか?
今回はマニアックな話でしたが、実際に前開きの仕様で使い方が変わってくると僕は思っています。
参考になれば嬉しいです。